宿泊サイトでのポイント不正取得の手口

2020年1月にこんな事件がありました。宿泊予約サイト「一休.com」で予約した複数のホテルで、無断キャンセルを繰り返し、業務を妨害するなどした疑いで親子2人が逮捕されました。目的はポイントを不正に得ることでした。2人は62枚ものTポイントカードを作り、複数のIDを使い分けていました。無断キャンセルの回数はなんと3,200回。1億1千500万円相当の宿泊予約をキャンセルしていました。
この事件を簡単に説明すると、
・架空情報でTカードを用意。
 ↓
・Tポイントが付く予約サイトから、実際には宿泊する気のないホテルを予約。
 ↓
・無断キャンセル(連絡しないで不泊)。
 ↓
・ポイントをゲット。

宿泊予約サイトのポイントシステムってそんなにガバガバでザルなの?それなら俺もやってみようかな・・・なんて止めて下さいね。捕まっちゃいますから。
そもそも本来は、実際には宿泊していないのでポイントは付与されないはずなんです。それじゃなぜ?
そのカラクリについて説明しましょう。

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ポイントを不正取得出来た理由・方法
ご想像の通り、どの予約サイトでも予約した時点ではポイントは得られません。宿泊チェックアウト後に付与されます。
それでこの犯人は実際には宿泊する気はありません。報道では無断キャンセルと言っていますが、つまりはホテルへの連絡無しの不泊です。このことを業界用語でNOSHOW(ノーショウ・ノーショー)と言います。
本来、ホテル側はノーショウの客を予約サイトの管理画面で、実際には宿泊しなかった客として事務処理しなくてはいけないのです。
この処理をすればノーショウ客にポイントは付きませんし、ホテル側も予約サイトにポイント負担分と予約手数料を払わずに済みます。
しかし、この事務手続きをしなかったホテルがけっこうあったということです。
そのようなホテルは、本来は払わなくて良いはずのノーショウ者のポイント負担分料金と予約手数料を宿泊予約サイトに払い、おまけに犯人にポイントまでご丁寧に差し上げるというおバカなことをしているのです。

しっかりとノーショウ処理しているホテル・旅館なら被害がないかというと、そんなことはありません。もし満室ならポイント詐欺者の宿泊分、またはその予約がなかったら泊まれたはずの宿泊者の料金分の損害があります。加えて精神的にも手間的にも損していると言ってよいでしょう。

なぜノーショウ処理しないホテルがあるの?
元ホテル勤務者の私が思うに、おそらく忙しくて忘れてしまった。若しくはこうしたシステム処理を詳しく知らないからではないかと思います。
ひどい場合は、分かっているけど自分が損するわけではないし、面倒だからさぼった。なんて従業員がいるかもしれません。

キャンセル料請求しないの?
もちろんノーショウ者には普通はキャンセル料請求しますよ。けれども今回の犯人は不正にポイントを得ることが目的です。嘘・架空情報でポイントカードも複数作っているし、当然予約者情報もデタラメですから、電話しても繋がらないし郵便物も届かないでしょう。

ポイント分の料金は誰が負担しているの?
宿泊予約サイトによって違うのですが、サイトとホテル・旅館側の折半、または宿側の負担です。まあ、サイトはポイント分も手数料などに転嫁していますから、大まかに言って実際はホテル側の負担だと言ってもよいのかもしれません。かなり突き詰めて考えれば、ホテルは損ばかりしていられませんから、ポイント分も宿泊料金に乗せているとも言えるかもしれません。

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宿泊施設の責任者・経営者は内部の不正に注意
おそらく今回の犯人に限らず、宿泊していないのにポイントを得てしまっている人はかなりいると思います。フロント従業員がきちんと手続き処理を行っているかチェックする必要はあると思います。
そして、今回の事件がもたらした余波は意外にも大きいと私は感じています。つまり、要らぬ知恵を付けてしまった従業員の内部の不正に注意すべきでしょう。
例えば、この仕事は長く続けないだろう。もうすぐ辞めるし。稼働率とか手数料とか自分の給料が増えるわけではないから関係ない。そんな考えや態度で仕事をしているスタッフは、残念ながら魔が差す可能性はあります。自分で架空予約をして自分でノーショウ処理をしないという方法が取れるからです。
いま一度、チェック体制の見直しと強化をすべきかもしれません。


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