ドア下の隙間(アンダーカット)の謎
今回はちょっとしたホテルの雑学です。ビジネスホテルに宿泊すると、部屋の入口のドア下と床の間にかなりの隙間があって気になった人はいませんか?
廊下からの声や音がけっこう聞こえてうるさかったり、冷暖房を点けても効率が悪いんじゃないかと思ったり。そこから盗撮される事件とか、針金のようなものを外から差し込んで鍵を開け侵入される(サムターン回し)なんていう物騒な話まであります。
はっきり言ってこんな空間は無いほうがいいんだけどと思っている人も多いと思います。中にはわざわざ使用済みのタオルで塞いで対策している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これはいったい何の為でしょうか?役割や意味がある?
新聞を配るサービスをしているホテルもあるから、新聞やメッセージを挿し入れる為では?
うーん、それは間違いではないのですがその為にわざわざドアの下に隙間を作っている訳ではありません。どちらかというともともと丁度いい隙間スペースがあるのでそれをサービスに利用させてもらっているというほうが正解でしょう。
本当の理由。
実はあれは部屋内の空気の循環を促す為に必要なものなのです。
ビジネスホテルに泊まったことがある人は分かると思いますが、部屋の作りというのはだいたいユニットバスがあってその天井に湿気を排出する換気扇が付いています。また窓側の壁の一部にも換気扇が付いているホテルも多いかと思います。
しかし部屋の空気というのはどこかから入ってこなければこの換気扇からうまく排出されないわけです。入口と出口があって初めて空気が流れるのであって、換気扇がいくらがんばって回っても密閉状態ではあまり効果がありません。その取り入れ口がドア下なわけです。その為ユニットバスのドア下にも隙間があることが多いです。
またガラリ(ルーバー)と言ってヨロイ状・ブラインド状になった通風小窓が付いているドアもあります。
現在の改正建築基準法ではシックハウス症候群の対策として定められていることがあります。
1.クロルピリホスを添加した建材の使用禁止
2.ホルムアルデヒドを発散する恐れのある建材の使用制限
3.24時間換気が可能な換気設備の設置義務化
建材や施工時に使用する接着剤などに含まれる有害物質によって健康被害が及ばないよう配慮されています。
つまり空気の循環がある場合はそうでもありませんが、籠った状態の建物はより健康に被害を及ぼす可能性があるということです。
そして空気の循環の悪い部屋は湿気が籠り易くカビが発生したりして、人体だけでなく家や建物自体を傷めてしまう場合もあります。
ドア下の隙間のことをアンダーカットと呼びますが、これは換気を可能にする設備の一環なのです。
ということは、タオルなどで隙間を塞ぐことはあまり良くないことになります。ただ一泊の睡眠の間くらいは気にしなくてもよいのかもしれません。どうしても隙間が気になる場合は仕方ないのではないでしょうか?私だって一泊くらいなら、安眠とちょっとあるかもしれない健康被害の可能性とを天秤に掛けたら安眠を採ると思います。
それにしても、私も思うのですがドア下のアンダーカットの幅があまりに広すぎると感じたことはありませんか?
おそらくホテルは絨毯やカーペットの張替えが頻繁にあったりしますので、その時に以前より厚みのあるものに交換する時に困らないよう多めにカットされている可能性があります。
逆に最初の施工時は適切な幅だったのを薄いカーペットに交換してしまった為に、以前より隙間が大きくなってしまっているということも考えられます。
ドア繋がりで、ホテルのドアを開けっ放しにする人がいるけどなんでなの?っていう質問をよく耳にします。
経験上、中国や台湾の宿泊者に若干多いような感じがしますが、必ずしもそうとは限りません。
理由の一番は、仲間同士で複数の部屋に宿泊している場合、お互いの部屋を行き来する際に、いちいち鍵開け対応するのが面倒だからです。この場合は外国人に限りません。日本人でもやりますよね。
ただし若干日本人より外国人のほうがコミュニティ範囲の認識が広いのです。日本人は個の単位の意識が強くて、わりと少人数単位で引きこもりたがりますよね。概ね仲間意識の範囲が外国人のほうが広かったりします。仲間が借りてる部屋は全て自分たちのエリアという意識が強いのでしょう。いつもウェルカムとドアを開けておくのだと思います。
単純に冷房を使いたがらないこともあります。もしかするとリモコンの使い方がよく分からない?夏場は窓とドアを開け放して風を通そうとする人は多いです。
音漏れなど迷惑な時はフロントに言って下さい。当人も注意されると理解する場合がほとんどです。
アンダーカットの必要性を分かった上で使うのであれば、一応こういった隙間を塞ぐ家庭用の商品というのはあります。
隙間風による寒さ、音漏れ・防音の心配から、どうしても塞ぎたいご家庭もあると思います。
ドア下隙間対策グッズ 楽天市場
私は男なので意識したことがなかったのですが、アンダーカットから初対面の男に連絡先を渡されたり、覗き込まれたりと、女性にはいろいろ恐怖や苦労があるようです。ズレた感覚の男性がいる以上、女性専用も必要なのかと思います。
女性専用(限定プラン・フロア・カプセル)
↑
このような被害の場合はフロントに相談して下さい。直接抗議すると逆恨みされる可能性があります。
ホテル側は旅館業法第5条に基づいて宿泊拒否も可能と思います。
詳しくはこちらのページで。
ホテルが嫌がる迷惑客 - 宿泊拒否とブラックリスト
【このブログでよく読まれている記事】
・本当に満室?宿泊予約の裏技
・クオカード付きプランって何?ばれる?
・ホテル・旅館のタオルやアメニティは持ち帰ってもいいの?
・部屋での面会が禁止な訳は?
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廊下からの声や音がけっこう聞こえてうるさかったり、冷暖房を点けても効率が悪いんじゃないかと思ったり。そこから盗撮される事件とか、針金のようなものを外から差し込んで鍵を開け侵入される(サムターン回し)なんていう物騒な話まであります。
はっきり言ってこんな空間は無いほうがいいんだけどと思っている人も多いと思います。中にはわざわざ使用済みのタオルで塞いで対策している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これはいったい何の為でしょうか?役割や意味がある?
新聞を配るサービスをしているホテルもあるから、新聞やメッセージを挿し入れる為では?
うーん、それは間違いではないのですがその為にわざわざドアの下に隙間を作っている訳ではありません。どちらかというともともと丁度いい隙間スペースがあるのでそれをサービスに利用させてもらっているというほうが正解でしょう。
本当の理由。
実はあれは部屋内の空気の循環を促す為に必要なものなのです。
ビジネスホテルに泊まったことがある人は分かると思いますが、部屋の作りというのはだいたいユニットバスがあってその天井に湿気を排出する換気扇が付いています。また窓側の壁の一部にも換気扇が付いているホテルも多いかと思います。
しかし部屋の空気というのはどこかから入ってこなければこの換気扇からうまく排出されないわけです。入口と出口があって初めて空気が流れるのであって、換気扇がいくらがんばって回っても密閉状態ではあまり効果がありません。その取り入れ口がドア下なわけです。その為ユニットバスのドア下にも隙間があることが多いです。
またガラリ(ルーバー)と言ってヨロイ状・ブラインド状になった通風小窓が付いているドアもあります。
現在の改正建築基準法ではシックハウス症候群の対策として定められていることがあります。
1.クロルピリホスを添加した建材の使用禁止
2.ホルムアルデヒドを発散する恐れのある建材の使用制限
3.24時間換気が可能な換気設備の設置義務化
建材や施工時に使用する接着剤などに含まれる有害物質によって健康被害が及ばないよう配慮されています。
つまり空気の循環がある場合はそうでもありませんが、籠った状態の建物はより健康に被害を及ぼす可能性があるということです。
そして空気の循環の悪い部屋は湿気が籠り易くカビが発生したりして、人体だけでなく家や建物自体を傷めてしまう場合もあります。
ドア下の隙間のことをアンダーカットと呼びますが、これは換気を可能にする設備の一環なのです。
ということは、タオルなどで隙間を塞ぐことはあまり良くないことになります。ただ一泊の睡眠の間くらいは気にしなくてもよいのかもしれません。どうしても隙間が気になる場合は仕方ないのではないでしょうか?私だって一泊くらいなら、安眠とちょっとあるかもしれない健康被害の可能性とを天秤に掛けたら安眠を採ると思います。
それにしても、私も思うのですがドア下のアンダーカットの幅があまりに広すぎると感じたことはありませんか?
おそらくホテルは絨毯やカーペットの張替えが頻繁にあったりしますので、その時に以前より厚みのあるものに交換する時に困らないよう多めにカットされている可能性があります。
逆に最初の施工時は適切な幅だったのを薄いカーペットに交換してしまった為に、以前より隙間が大きくなってしまっているということも考えられます。
ドア繋がりで、ホテルのドアを開けっ放しにする人がいるけどなんでなの?っていう質問をよく耳にします。
経験上、中国や台湾の宿泊者に若干多いような感じがしますが、必ずしもそうとは限りません。
理由の一番は、仲間同士で複数の部屋に宿泊している場合、お互いの部屋を行き来する際に、いちいち鍵開け対応するのが面倒だからです。この場合は外国人に限りません。日本人でもやりますよね。
ただし若干日本人より外国人のほうがコミュニティ範囲の認識が広いのです。日本人は個の単位の意識が強くて、わりと少人数単位で引きこもりたがりますよね。概ね仲間意識の範囲が外国人のほうが広かったりします。仲間が借りてる部屋は全て自分たちのエリアという意識が強いのでしょう。いつもウェルカムとドアを開けておくのだと思います。
単純に冷房を使いたがらないこともあります。もしかするとリモコンの使い方がよく分からない?夏場は窓とドアを開け放して風を通そうとする人は多いです。
音漏れなど迷惑な時はフロントに言って下さい。当人も注意されると理解する場合がほとんどです。
アンダーカットの必要性を分かった上で使うのであれば、一応こういった隙間を塞ぐ家庭用の商品というのはあります。
隙間風による寒さ、音漏れ・防音の心配から、どうしても塞ぎたいご家庭もあると思います。
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私は男なので意識したことがなかったのですが、アンダーカットから初対面の男に連絡先を渡されたり、覗き込まれたりと、女性にはいろいろ恐怖や苦労があるようです。ズレた感覚の男性がいる以上、女性専用も必要なのかと思います。
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このような被害の場合はフロントに相談して下さい。直接抗議すると逆恨みされる可能性があります。
ホテル側は旅館業法第5条に基づいて宿泊拒否も可能と思います。
詳しくはこちらのページで。
ホテルが嫌がる迷惑客 - 宿泊拒否とブラックリスト
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