東日本大震災の影響

震災の当日

東日本大震災の発生時、私はホテルのフロントで勤務中でした。具体的なホテルの場所は伏せますが首都圏にあります。

発生時、突然の大きな揺れに驚きつつ静観するしかありませんでした。そろそろ治まるかなと考えていましたがいっこうにその気配が無く、非常に長く揺れ続けた地震だったと記憶しています。

3月11日の金曜日、14時46分。平日のチェックイン前の発生でしたから、まだお客様はほとんどいませんでした。
その場のフロントは棚から少し物が落ちた程度でほとんど被害はありません。揺れが治まった後、ホテル内の主要な場所の点検に走りました。ビル上階の方が揺れが大きくなりますので最上階の客室を点検して行きましたが、普段から倒れるような備品も置いておらず何も被害はありません。廊下に置いてあった観葉植物の鉢が転がってしまった程度で済みました。停電にもならず予約システムを使用しているパソコンも大丈夫なようです。インターネットも問題なく接続出来ましたが、電話は通じないようでした。自分の携帯電話も試してみましたが、通話規制が行われているようで通じませんでした。

一番の問題はエレベーターが止まってしまったことです。エレベーターは大きな揺れを感知すると最寄りの階で緊急停止する安全装置が働きます。その後はエレベーター業者が安全を確認するまでは動かすことが出来ません。地震でこの機能が働いて停止したのは初めての経験でした。
最上階は8階です。お客様には非常階段で行き来していただかなくてはなりませんでしたが、営業は続けることになりました。なぜならその日、宿泊希望者が殺到することとなったからです。

皆さんご存知の通り、その日首都圏の交通機関は完全にマヒしてしまいました。電車は全線ストップ、道路も渋滞や通行規制でほぼ麻痺状態で多くの帰宅困難者が発生したわけです。会社などの出先から自宅に帰れなくなった人達が宿泊場所を求めてホテルは大混乱となりました。

電話が復旧し始めた夕方から夜中まで、ホテルの電話は鳴りっぱなしです。夕方の時点で既に満室になっていた為、お断りするしかないのですが、受話器を置くとすぐまた鳴ります。回線を切って通話出来ない状態にしようかとも思いましたが、状況が状況なだけにどんな内容の電話があるかも分からず、一応は対応せざるを得ませんでした。
私は待合スペースのテレビに流れる津波の映像を遠目に見ながらやっと、とんでもない事態になっていることに気づきました。

その日は私も勤務を終えても帰宅出来る状態ではなく、そもそも帰る手段がありませんでした。電話が復旧して家族の無事は確認出来ていましたので、そのままホテルに泊まり込みました。



その後のホテルへの影響

宿泊者が殺到した震災当日でしたが、その後のホテルは苦境の時期に入ります。まず震災前に既に入っていた予約はほとんどがキャンセルになりました。震災後の新たな予約というのも極端に減りました。3月・4月の落ち込みが最も酷く、月の稼働率は共に40パーセント台にまで落ち込みました。これは今までで一番悪い数字です。しかし地震の直接的な影響で営業不能になってしまった宿泊施設もあったわけですから、それを考えればまだマシな方なのかもしれません。
理由はいくつもありました。

東北新幹線、東北自動車道の通行止め。
自粛ムードによる旅行の減少。
原発の放射線の心配から特に西日本、海外の客が大きく減少したこと。
計画停電。

実は放射線の影響による外国人客のキャンセル分においては東京電力がホテルに補償を行いました。しかしこれは本当に微々たる金額にすぎません。なぜなら東京電力が補償対象とした期間よりも、実際はもっと長期にわたって外国人客の影響は続くことになったからです。
また提出する申請書は非常に複雑で、証明する資料も全て添付しなければならず、ホテル側も余分な労力を相当強いられたはずです。


いつ大きな地震が来てもおかしくない日本ですが、過去の震災のような大きな被害は起こらないで欲しいと願うばかりです。
最後に、ホテルの宿泊中に地震に遭遇したらですが、部屋や廊下などその場で物が落ちたり倒れてこない所で、揺れが治まるまではじっとしておくのが良いでしょう。慌てて走ったり、外へ飛び出すのは危険です。その後は従業員の指示に従って下さい。その後に火災が発生する場合もありますから、どんな時でも宿泊時には必ず避難経路を確認しておいて下さい。



そうそう、エレベーターの面白い話があるんです。よかったらこちらのページもどうぞ。
恐怖!?エレベーターにまつわる裏話


スポンサーリンク

テーマ:国内旅行 - ジャンル:旅行

当ブログのおすすめ記事
最新記事

まだ間に合う!?
夏休み・シルバーウィーク 直前空室カレンダー(2名1室)
ブログ主へ問い合わせ